水虫は正式には白癬菌といい、人に寄生するカビの一種です。
白癬菌は100万年前には存在しており、古くから人類を悩まし続けてきました。
白癬菌は革靴や長靴の中など通気性が悪く高温多湿の環境で繁殖しやすい菌で、感染するとかゆみと共に水泡ができることから水虫と呼ばれています。
現在ではあかぎれのようなひび割れ型や、爪に感染する爪水虫など多種多様な水虫が確認されています。
白癬菌は石鹸や酸などは効果が無いため、水虫に感染してしまった場合は早めに皮膚科を受診し検査を受けることが大切です。

皮膚科では、患部の皮膚や爪などを採取して顕微鏡で観察し白癬菌の有無を確認する検査を行い、治療薬を決定します。
ほぼ1回の検査で確認できますが、採取した皮膚によっては白癬菌が確認できないこともあり、数回にわたって検査を行うこともあります。
一般的に水虫には塗り薬が多く、抗真菌薬と呼ばれる菌の生育を阻害する医薬品が用いられ、アゾール系抗生物質のエンペシドクリームや非アゾール系のラミシールクリームなどが主流となっています。

エンペシドクリームは世界で最初に開発された薬で、主成分はクロトリマゾールと呼ばれる抗真菌薬です。
白癬菌の細胞膜や核膜に結合し機能に障害を与える効果がありますが、患者の皮膚の状態によっては重篤な副作用は無いものの、接触性皮膚炎や赤い発疹、皮膚のただれなどの症状が出る場合があります。
ラミシールクリームの主成分はテルビナフィン塩酸塩で、白癬菌の生合成に必要な酵素を阻害することにより菌の増殖を抑える働きがあり、副作用は比較的少ないですが、稀にかぶれたり発疹などの症状が出ることがあります。

これらの塗り薬は使用する前に患部を石鹸で丁寧に洗った上で使用しますが、ビニールなどを使用した上で患部にしっかり塗り込むようにして、体の他の部分には触れないようにすることが大切です。
効果が非常に高いため塗ってから数日で患部は治りますが、白癬菌は皮膚の内部に繁殖しているので皮膚表面が治っても繰り返し塗る必要があり、少なくとも3か月から半年は続けることが重要です。

内服タイプの治療薬で水虫を治そう

皮膚科の検査によって爪水虫と診断された場合は塗り薬では無く内服薬を処方されることがあります。
現在日本で使用されている抗真菌内服薬にはラミシールとイトリゾールがあります。
ラミシールは塗り薬にもありますが、爪水虫の場合は内服薬を処方されるケースが多くなっています。
塗り薬は皮膚からの治療ですが、爪に入り込んでしまった白癬菌には体の内側から治療しなければ菌まで薬の効果が行きわたらないことが理由です。
服用期間は爪が伸びきるまでの約半年から1年程度となっています。

イトリゾールにはカプセルタイプ、液体タイプ、注射薬タイプがありますが、剤形の違いによって効き目に差があるため使用には注意が必要です。
一般的に爪水虫にはカプセルタイプが使用され、その有効性は8割強の効果があります。
イトリゾールにはイトラコナゾールと呼ばれる有効成分が配合されており、白癬菌の細胞膜の合成を阻害する働きがあります。
合成を阻害された白癬菌は増殖できなくなり、その結果感染が広がらなくなります。

イトリゾールはパルス療法と呼ばれる治療方法で服用されます。
パルス療法とは、効果持続の長い治療薬を短期間多量に服用することで、完治までの総服用量を少なくする方法です。
イトリゾールの場合は1回の服用が200ミリグラムで、1日の合計が400ミリグラムになるように1日に2回服用することを1週間続けた後、3週間の休薬期間を設けるのを1サイクルとして、これを3サイクル繰り返して治療します。

イトリゾールの副作用はほとんどありませんが、ごく稀にうっ血性心不全や肝障害などの重篤な症状が出ることがあります。
治療中に異変を感じたら服用を中止し、専門医の診察を受けることが大切です。